合法的な残業代削減対策

労働基準法改正『法定割増賃金の引き上げ』

◆法定割増賃金の引き上げ

平成22年4月1日より労働基準法が改正されました。今改正の最大の目玉はなんと言っても、法定割増賃金の引き上げです。
改正後は、特別条項付36協定を締結・届出し、1ヵ月45時間超60時間以内、1年360時間超の時間外労働を行わせる場合には現行の2割5分を超える割増賃金を支払う努力義務、1ヵ月60時間超の時間外労働を行わせる場合には5割以上の割増賃金を支払う義務が課せられます。

◆特別条項付36協定とは?

時間外労働は、「時間外労働の限度に関する基準」により、例えば1ヵ月45時間、1年360時間と言った上限が決められています。
つまり、前述の1ヵ月45時間超、1年360時間超の時間外労働とは「限度基準」を超える時間外労働を意味します。
特別条項付36協定とは、通常の生産量を大幅に超える受注が集中し、納期が逼迫したケースのように、限界時間を超えて労働時間を延長しなければならない特別の事情(臨時的なものに限ります)が生じることが予測される場合に、限界時間内の一定期間についての延長時間(例えば1ヵ月45時間)を定めた上で、さらにそのような特別の事情が生じたときに限度時間を超える特定の時間(例えば1ヵ月80時間)まで労働時間を延長することができる旨を定めたものです。このような特別条項付36協定を締結・届出していれば初めて、「限度基準」を超える時間外労働ができる(ただし、年6回まで)訳です。

◆対象外となる企業その1

法定割増賃金の引き上げは、「限度基準」を超える時間外労働をさせた場合が対象となります。
したがって、そもそも特別条項付36協定を締結・届出していない会社は法定割増賃金の引き上げの対象外となります。

◆対象外となる企業その2

法定割増賃金の引き上げのうち、1ヵ月60時間超の時間外労働に対する5割以上の割増賃金の支払いについては、中小企業は当面(3年間予定)猶予されます。
ただし、60時間超のケースだけが猶予対象で、前述の2割5分を超える割増賃金を支払う努力義務は猶予されませんので注意が必要です。

◆対象外となる企業その3

限度基準の適用除外業種(建設業、自動車運転業、新技術の研究開発の業務等)は、そもそも限度時間そのものの規制がないため、2割5分を超える割増賃金を支払う努力義務は適用されません。
ただし、大企業に該当する場合は、適用除外業種であっても、1ヵ月60時間超の時間外労働には5割以上の割増賃金を支払う義務が課せられます。

◆努力義務とは?

1ヵ月45時間超60時間以内、1年360時間超の時間外労働に対する割増賃金の引き上げは努力義務なので、結果として現行と同じ2割5分とすることも可能です。
ただし、改正条文が「労使当事者は2割5分を超える率とするとするように努める」となっていますので、労使協議を経て決定することが必要となります。場合によっては、労使間でどのような協議を経て決定したのかが確認されることも想定されますので、まずは労使でこの問題を協議することが重要でしょう。

◆適用期日

法定割増賃金の引き上げは、平成22年4月1日以降に特別条項付36協定を締結する場合に適用されます。
したがって、3月31日までに締結していれば、その分に関してはこれまでと同じ内容で構いません。

◆就業規則、賃金規程の改定、コンサルタントの指導

今回の改正により、「就業規則」「賃金規程」の割増賃金に関する条項の改定が必要となります。
また、法改正に対応した残業代対策にはコンサルタントの指導が不可欠です。
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