適格年金廃止に伴う退職金制度の見直し

退職金規程にも工夫が必要

退職金制度改定及び適格年金移行コンサルティングの締めの作業として、新しい退職金規程の作成と労働基準監督署への届出があります。
この新しい退職金規程ですが、退職金制度改定する場合は、当然元の退職金規程や退職年金規定の存在を踏まえたものでなければなりません。
具体的には、

① 元の退職金規程や退職年金規程の廃止について明記する

② 適格年金から他の制度へ移行する場合は、その手続き等について明記する

③ 既得権の保障等、会社が遵守する法的ルールについて明記する

④ その他経過措置があれば、これらも明記する

と言ったように、従前の制度からどのように改定がされたのかが分かるように規定化する必要があります。
また、弊事務所で作成する退職金規定は、会社の労務トラブルを予防する「リスク回避型規程」となっていますので、退職金の不支給・減額支給なども労働判例などを参考に規定化を図っています。
したがって、通常それらの根拠となる就業規則の見直しも同時に行うケースが多くなっています。
このような退職金制度改定及び適格年金の移行に対応した退職金規程の作成は、一定のノウハウも必要なので弊事務所のような専門家に依頼することが得策だと思います。

2012年(平成24年)3月末日の意味するところ?

適格年金は2012年(平成24年)3月末日で廃止されます。
この2012年3月末日という日付は、2002年(平成14年)4月1日現在で適格年金を実施していた会社が制度見直しを行うために与えられた猶予期間が満了する日を意味します。
したがって、他の制度、例えば確定給付企業年金、確定拠出年金、中小企業退職金共済制度(中退共)への移行手続きもこの日までに終わらせなければなりません。2012年4月1日以降は、これらの制度へ移行できなくなります。
この移行手続きですが、2012年3月末日までに、適格年金の積立金が実際にこれらの制度に移っている(移換という)ことが必要です。
例えば、中退共の場合、積立金の移換には中退共への移行を申し込んだ後、概ね2ヶ月程度かかります。
つまり、2012年3月末日までに移換するためには、2012年1月中には移行手続きそのものを終わらせる必要があると言うことです。
ただし、猶予期間の満了日近くは移行が殺到する恐れもあり、2ヶ月程度で本当に移換ができるか不透明な部分もあります。やはり、確実に制度改定を行うためには、前年(2011年)秋頃までに移行手続きを終わらせておくべきだと思います。
そうなると、現時点(2007年10月)で残り4年しかないことになります。
また、退職金制度の改定及び適格年金の移行スケジュールは、企業規模や労働組合の有無なども影響致しますが、最短6ヶ月から2年程度を必要とします。それらを含めると、さらに残された期間は短くなる訳です。
以上のような手続きのタイムスケジュールをしっかり理解した上で、制度改定に取組むことが肝要でしょう。

「再確認~適格年金問題の本質的解決とは?」

これまで私がこのホームページやセミナー等で繰り返し主張してきた話があります。それは、

「適格年金の問題解決は、初めに退職金制度の改定ありき」

ということです。

適格年金の問題は単なる積立金の移行で解決できる話ではなく、元となる退職金制度の改定にこそ本質的な解決があります。特に、大きな積立不足を抱えている場合は、支給額決定方法や支給水準の見直しといった退職金制度の改定は避けて通れないでしょう。

したがって、この退職金制度改定をいかに進めるのかが重要なポイントになります。なぜなら、退職年金規程という就業規則で支給額決定方法や支給水準が決められ、それらは従業員の権利(受給権)として保証されているからです。もちろん、会社が一方的にこれらを変更できる訳ではなく、従業員の説明や同意の取得等が不可欠です。

適格年金の問題を既に解決した会社の中には、このような本質的解決を図らずに、単なる積立金の移行だけで済ませてしまった会社も多いようです。このような会社は、適格年金の問題が解決したと思っているようですが、実際は積立不足等の問題を先送りしているだけか、若しくは前述の従業員への説明や同意取得をすることなく一方的に制度改定を行っているケースが大半のようです。これらは、この先会社に大きなリスク(トラブル事例を参照)をもたらす危険性があります。

例えば、わずか数年後に今度こそ本当の退職金制度の見直しに着手しなければならないといったケースも考えられます。実際に、最近ではこのような事例も見受けられるようになってきました。このような事例の中には、度重なる制度改定によって従業員の不信感を買ったケースやさらに問題が深刻化しているケースもあり、簡単には解決できない場合も多いです。したがって、初めから問題の本質をしっかり把えて、正しい方法で解決を図ることが何よりも望まれるでしょう。

中小企業のための適格年金廃止に伴う退職金制度の見直し

まだまだ先の話と思っていた適格年金廃止の猶予期間も折返し地点を過ぎ、いよいよ待ったなしと言っても良い時期にさしかかりました。

ちまたには、制度移行の情報などが氾濫しておりますが、この問題の解決は単なるファンドの対策だけではなく、人事制度としてこれからの退職金をどう考えるのかと言う視点が不可欠です。

1.適職年金の問題の考え方

適格年金の問題を考える場合、必ず次の2つの視点に分けて考える必要があります。

退職年金の問題の考え方

左側の「人事制度」とは、文字通り退職金制度として現状どのような仕組みになっているのかということです。例えば、基本給連動型なのか定額型なのか、そもそも支給水準はどの程度なのかといった内容です。

したがって、退職金規程や退職年金規程の内容も把握しなければなりません。

一方、右側の「ファンド」とは、左の退職金を準備するための積立先や積立方法はどうなっているのかということです。適格年金以外に何か積立を行っているのかどうかといった内容も含まれます。

これら2つの視点に分けて、それぞれの問題点を検討し、解決を図るのが、適格年金及び退職金制度の見直しなのです。

ところが金融機関がこの問題に関連して売込みをかける場合、左側の「人事制度」の視点はすっぱり抜け落ち、もっぱら右側の「ファンド」の話しか行わない傾向にあります。

「人事制度」の視点抜きに、適格年金の真の問題解決はありえません!

2.退職金制度改定の注意点

退職金制度を見直す場合は、次のような点に注意する必要があります。

・会社が一方的に退職金水準の引き下げを行なうのは労働条件の不利益変更にあたり、禁止されている。

→一定条件の労働組合の同意、または社員の個別同意が必要

・制度改革時に会社に支給義務のある額は保証が必要

→社員の既得権を下廻る改定はできない

・社員への十分な説明が必要

→中小企業の退職金改定のポイント①

・経過措置や代償措置(労働条件改善)も検討

→中小企業の退職金改定のポイント②

・制度改定の同意書や前払いがある場合の受領書は必ず取得する

→中小企業の退職金改定のポイント③

上記のいずれかが欠けると・・・
社員との間で退職金に関するトラブルに発展する危険性が高まります!

3.退職金制度改定に関するトラブル事例

退職金制度改定に関するトラブルは、通常の労務に関するトラブルと異なる部分が大きいので注意が必要です。

例えば、

・退職金は、退職して初めて請求権が発生する

→つまり、制度変更を不服として在職中に会社を訴えても、そもそも退職していないので「訴えの利益がない」という理由から裁判所等では受け付けてもらえない

・請求権が発生していないということは、消滅時効の発生も退職時から発生

→5年間

・制度改定がうまく行えたと思っていても、将来社員が退職した時点で訴えられる危険性がある

→既にそのような事例が続々と発生

正しい情報と知識に基づいて退職金制度の改定を行わないと、
将来大きなトラブルに巻き込まれる可能性があります!

4.退職金制度改定のSTEP

退職金制度改定は、次のようなSTEPに沿って進めます。

退職金制度改定のSTEP

まずは貴社の退職金制度や適格年金の現状はどうなっているのかを分析・診断し、現状を把握する所から始めましょう。

弊事務所のコンサルティング(分析診断・有料)では、詳細な分析資料を基に、直接結果内容をご報告いたします。

「1st.step現状分析・診断と問題点の把握」からスタート!

5.中小企業のための適格年金廃止に伴う退職金制度の見直し

弊事務所によるコンサルティングによって

・専門家による人事制度としての退職金の見直しが図れます。

・特定の商品にとらわれない、客観的な立場から移行先や積立方法のアドバイスを受けられます。

→弊事務所の方針に沿った生命保険会社等、各種金融機関のご紹介も可能です。

・トラブルを未然に防ぎ、リスクを最小限に抑える制度改定が行えます。

(1)原則、社員150人未満の中小企業限定
(2)関東エリア限定
(3)初回無料訪問
(4)上記訪問時に代表者執筆の適格年金見直しに関する小冊子贈呈

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