適格退職年金終了後の退職金制度改革

「適格退職年金」終了後の 退職金制度に関する状況

適格退職年金の移行期間終了(平成24年3月末)から半年が経過しました。
適格退職年金から他制度へ移行した会社のうち、特に期限が差し迫ってから移行した会社の多くは、引き続き次のような状況にあると思われます。

1.
他制度への移行のみで、「退職金制度改革(支給額決定方法や支給水準の見直し)」は行っていない。
2.
認識しているか否かは別として、低金利による積立金不足の状態が続いている。
3.
掛金の追加拠出や今後退職者が増加したときの差額負担が心配だ。

これらは、とりあえず移行のみを行った会社が共通して抱えている問題ですが、私がこの10年間再三繰り返し述べてきたように、適格退職年金の問題解決の答えは、「退職金制度改革」にあります。
「退職金制度改革」を行わずに、移行だけ行った会社は、問題の解決を先送りしただけです。
したがって、このままでは、この先も積立不足の問題は解消されず、掛金の追加や不足額の負担は避けられないことになります。

「適格退職年金」移行企業の退職金制度改革 1

とりあえず適格退職年金の移行だけを行った会社が、遅ればせながら退職金制度改革に着手するケースが今後出てくると思います。
この場合の注意点としては、次のようなことが考えられます。

1.
退職金制度改革(支給額決定方法や支給水準の見直し)は、不利益変更を伴うものなので、労働組合の同意や社員の個別同意は不可欠であること。
2.
退職金制度改革にあたっては、「なぜ制度改革が必要なのか?」といった基本コンセプトの確立が不可欠であること。

労働契約法第9条に規定されているように、社員と合意することなく、労働条件を変更することはできません。
したがって、社員からの同意取得を前提とした制度改革でなければなりません。
そのためには、制度改革の必要性を社員にきちんと伝え、理解を得る必要があります。
適格退職年金の移行の際には、国の方針で制度が廃止になるという大義名分がありましたが、今回の制度改革にはそのような理由は見当たりません。
その意味では、適格退職年金の移行と同時に制度改革を行った方が有利だったと思われますが、今となってはどうしようもありません。
だからこそ、改めて制度改革の必要性を考え、それらを明文化する必要があるのです。

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「適格退職年金」移行企業の退職金制度改革 2

適格退職年金の移行だけを行った会社がこれから退職金制度改革を行う場合の注意点としては、さらに次のようなことが考えられます。

3.
適格退職年金の移行時における説明内容を確認すること
4.
退職金制度改革の実施スケジュールを立案すること

適格退職年金の移行時に、社員説明会を行っているケースが多いと思いますが、その時の議事録や説明資料などを再度確認することをお勧め致します。
例えば、その時の説明で、「制度移行のみを実施し、制度改定は行わない」旨を明言している場合、当然制度改革が困難なものとなることが予想されます。
このような話は、会社は忘れていても、社員は案外覚えているものです。
したがって、万が一、制度改定を行わない旨を明言していた場合は、それを踏まえた対応策を考える必要があります。

最後に、これまでご紹介したような注意点を踏まえた上で、制度改革の実施スケジュールを立案します。
移行先の制度によっては申請手続などに期間を要するものがございますので、それらも見込んだスケジュールを組むことが大切です。

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